建築現場やDIY、会場設営や工場のライン設置、最近ではゴルフなどのスポーツやレジャーにまで幅広く使用されているレーザー距離計について解説します
今回はその中でも日本でトップクラスのシェアを誇るボッシュの製品について、2021年7月現在の全ラインナップとその特徴について解説します
距離を測らなけばならない事って意外と多いですよね(^_^)
最近私は引っ越しをしたので、引っ越しの前に家の中の長さを測るためにレーザー距離計を使用しました
引っ越し前に家の中の正確な寸法と知っておく事で、家具をどこに配置すれば良いのか、事前に買っておかなければならない物は無いのかを知る事が出来たので、引っ越しがとてもスムーズに進みました
かつてはレーザー距離計と言えば一部のプロのみが使用する大きくて高額な物でしたが、レーザーの波長を安価に正確に計測する技術の発達によって一般のユーザーにも手の届く金額になってきました
スケールで測るのが大変になってくる2mを超えるような長さの物は、レーザー距離計で測ればボタン一つをポチッとするだけで簡単に計測出来ます
時間の節約にもなりますので、これを機会にぜひご購入を検討してみて下さいね
レーザー距離計とは
レーザー距離計とは目標物にレーザー光を照射して距離を計測する装置です
レーザーの光が目標に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測する事で距離を測っています
図にするとこうなります
光の速さは1秒間に地球を7周半もするほどのとてつもないスピードです
目標物から返ってくるまでの時間を計測するのは難しいので、実際には光の波長の変化から時間を計測しています
この波長を計測する装置がかつては非常に高価だったのですが、最近では安価に製造できるようになった事から、数千円程度の製品でも十分精度の高い計測ができるようになりました
ボッシュレーザー距離計の種類
型番 | GLM 50-27 CG | GLM 50 C | GLM 120 C | GLM 30 | GLM 40 | GLM 500 | GLM 80 | GLM 250 VF | GLM 100 | GLM 150 C | GLM 400 |
測定範囲 | 0.05 – 50.00 m | 0.05 – 50.00 m | 0.08 – 120.00 m | 0.15 – 30.00 m | 0.15 – 40.00 m | 0.05 – 50.00 m | 0.05 – 80.00 m | 0.05 – 250.00 m | 0.05 – 100.00 m | 0.08 – 150.00 m | 0.05 – 40.00 m |
測定精度 | ± 1.5 mm | ± 1.5 mm | ± 1.5 mm | ± 2.0 mm | ± 2.0 mm | ± 1.5 mm | ± 1.5 mm | ± 1.0 mm | ± 1.5 mm | ± 1.5 mm | ± 1.5 mm |
レーザー波長、出力 | 515 nm、< 1 mW | 635 nm、< 1 mW | 650 nm、< 1 mW | 635 nm、< 1 mW | 635 nm、< 1 mW | 635 nm、< 1 mW | 635 nm、< 1 mW | 635 nm、< 1 mW | 635 nm、< 1 mW | 650 nm、< 1 mW | 635 nm、< 1 mW |
レーザークラス | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
レーザー色 | グリーン | レッド | レッド | レッド | レッド | レッド | レッド | レッド | レッド | レッド | レッド |
重さ | 0.2 kg | 0.1 kg | 0.21 kg | 0.09 kg | 0.1 kg | 0.1 kg | 0.14 kg | 0.24 kg | 0.14 kg | 0.23 kg | 0.1 kg |
Bluetooth | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
面積、体積 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
ピタゴラス | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
角度計 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
防水性能 | IP 65 | IP 54 | IP 54 | IP 54 | IP 54 | IP 54 | IP 54 | IP 54 | IP 54 | IP 54 | IP 54 |
ファインダー | デジタル | 光学 | デジタル | ||||||||
電源 | 単3アルカリ乾電池×2本 | 単4アルカリ乾電池×2本 | 3.6Vリチウムイオンバッテリー(3120mAh)×1個 | 単4アルカリ乾電池×2本 | 単4アルカリ乾電池×2本 | 単4アルカリ乾電池×2本 | 3.7Vリチウムイオンバッテリー(1250mAh)×1個 | 単4アルカリ乾電池×4本 | 3.7Vリチウムイオンバッテリー(1250mAh)×1個 | 単3アルカリ乾電池×3本 | 単4アルカリ乾電池×2本 |
メーカー希望価格(税抜) | 25,000 円 | 20,000 円 | 55,000 円 | 11,500 円 | 11,500 円 | 16,000 円 | 28,500 円 | 58,000 円 | 32,000 円 | 49,000 円 | 15,000 円 |
こちらが2021年7月時点でのボッシュのprofessionalシリーズのレーザー距離計の全ラインナップになります
種類が沢山あるので、最初に何を買えば良いのか迷ってしまうと思います(^^;
今回はレーザー距離計の特徴ごとにおすすめの商品をご紹介します
最新型はグリーンレーザー
表の一番左端にあるのがボッシュの最新モデルGLM 50-27 CGになります
一番の特徴はレーザー光が赤から緑になった事です
緑のレーザーは赤に比べて見やすいという特徴があります
特に日光が当たるような強い光がある場所では緑のレーザーはとても見やすくなります
こちらは主に屋外で使用する方向けです
GLM 50-27 CGは防塵、防水性能もIP65と非常に高い性能なので、強い雨の中での屋外の作業にも使えます
グリーンレーザーの欠点として、バッテリーの持ちが赤いレーザーと比較して半分程度しかないという欠点があります
レーザー距離計の場合、レーザー墨出器のようにバッテリーを多く消耗するわけではないので、単3電池2本で数日作業する分には何ら問題無いと思います
ですが、経済性を考えると充電式の電池を用意するのがおすすめです
こちらは容量も大きく、最大で繰返し1,200回使用可能なのでおすすめです(^_^)
Bluetooth機能
型番の末尾にCという文字がある機種はBluetooth機能があります
Bluetooth搭載機種はスマートフォンとデータを共有する事が可能になります
こちらの機種の場合、記録したデータはスマートフォンと共有できるので、ノートに書き写すなどの手間が無くなります
GLMは50Cはボッシュのレーザー距離計の中でも最も機能性に優れた機種になります
Bluetooth連携、カラー液晶自発光ディスプレイ、防塵防水IP54、様々な計測機能などボッシュのレーザー距離計の中でも特に機能性に優れた製品になります
価格もこの性能としては抑えられているので、自分にはどんな性能が必要かわからないのでとりあえず良いのを買っておきたいという方にはおすすめです
防塵防水性能
IP54とかIP65などの表記は防塵防水性能を表しています
保護等級 | 防塵性能 | 防水性能 |
0 | 特に保護がされていない | 特に保護がされていない |
1 | 直径50mm以上の固形物が中に入らない | 鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない |
2 | 直径12.5mm以上の固形物が中に入らない | 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない |
3 | 直径2.5mm以上のワイヤーや固形物が中に入らない | 鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない |
4 | 直径1mm以上のワイヤーや固形物が中に入らない | あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない |
5 | 有害な影響が発生するほどの粉塵が中に入らない | あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない |
6 | 粉塵が中に入らない(耐塵形) | あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない |
7 | 一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない | |
8 | 継続的に水没しても内部に浸水することがない |
最新型のGLM 50-27 CGは保護性能がIP65と粉塵性能は最高性能、水に対する保護性能もホースで水をかける程度では全く問題がないレベルになります
ある程度水を使ったり、汚れたりする事が予想される場所では頼もしい性能です
他の機種も全てIP54と、こちらも高い防塵、防水性能を持っています
多少の水やホコリでは壊れないという事です
ただ、レーザーはあくまでも精密機器ですので、取り扱いは可能な限り慎重にしましょう
ファインダー
ファインダーを搭載しているのは主に測定距離が長い機種です
ファインダー機能とは遠くにある物を拡大して見える機能の事です
ボッシュではGLM 120 C、GLM 150 C、GLM 250 VFがファインダー搭載機種になります
型番からお分かりいただけると思いますが、GLM 120 Cは最長120m、GLM 150 Cは最長150m、GLM 250 VFは何と最長で250mもの距離を測る事が出来ます
こんなに長い距離測る機種を何に使うのかと言うと、例えばビルの高さを測ったり、農地の面積を計測したり、最近ではゴルフのボールが飛んだ位置までの距離を計測したりするのにも使われています
ファインダーには光学式とデジタル式の2種類があります
光学式というのはレーザー距離計の中にのぞき穴が付いていて望遠鏡のようにレーザーが当たった位置を拡大して見る事が出来ます
今まではこういった光学式の機種しか無かったのですが、最近ではレーザー距離計の画面に直接拡大映像を映し出せるデジタル式が主流になってきました
デジタル式のメリットはレーザーの光がどこに当たっているのか直接確認する必要が無い事です
晴れた日の正午のように直射日光が特に強い場合、レーザーの光が見えにくくなってしまう場合があります
デジタル式の場合はレーザーの光を直接確認する必要が無いので、周囲の明るさに影響されずに計測出来ます
また複数人で画面を見ながら測定位置を確認できるので、測定間違いを未然に防ぐことも出来ます
私のおすすめはGLM 150 Cです
150mという長い距離を計測できる事と、単3乾電池で動かす事が出来るのが良い所だと思います
電源
電池切れが心配な方にはリチウムイオンバッテリー搭載モデルがおすすめです
リチウムイオンバッテリーは小型で高容量のために1回の充電で長時間使用出来ます
例えばGLM80の場合、3.7Vリチウムイオンバッテリー(1250mAh)をフル充電にすると25,000回もの計測が可能です
充電はスマートフォンのようにマイクロUSB接続で充電をします
バッテリーが付属の為に本体の値段が高いのが欠点です
また25,000回という回数を計測する必要のある方はかなり限られた職種になると思います
ただし現時点で50mを超える距離を計測できるファインダー無しの製品は全てバッテリー搭載型になりますので、工場内での製造ラインの位置決めなど長い距離を正確に測る必要のある方にはこちらがおすすめです
コストパフォーマンス
今まで紹介してきた製品はどれも1万円を超える高額品ばかりだったのですが、1戸建ての建築、マンションの管理、店舗の設営などの一般的に需要が高い用途ではどれもオーバースペックとなります
高額機種は性能に比例して本体も重たく大きくなる傾向にあるので、イベント会場の設営の為にポケットに入れた距離計をサッと取り出して距離を測るといった使い方は難しくなります
ボッシュのprofessionalシリーズは低価格な製品でも性能はとても高いので、プロから一般ユーザーまで安心して使用する事が出来ます
私がコスパでおすすめするのはGLM40になります
この価格で40mまでの距離を計測出来て、面積、体積、2点間のピタゴラスの計測機能が付いています
精度が± 2.0 mmと若干甘いですが、極端にシビアな現場でない限り全く問題無いと思います
重さも100gと軽量なので、ポケットに入れても邪魔になりにくいと思います
まとめ
いかがでしたか
ボッシュのprofessionalシリーズのレーザー距離計の全ラインナップについてご紹介させていただきました
レーザー距離計は進化のペースが速く、年々より低価格でより高性能な機種が各メーカーから発売されています
最近では中国製の無名ブランドであれば2,000円以下で買えるものもあります
最近の中国製品は品質も向上しているので測定精度が極端に悪いという事は無いと思いますが、私は測定にはお金をかけるべきだと考えています
どんなに良い道具や素材を使用しても、前提条件の寸法が信用できなければ絶対に良い仕事は出来ないからです
ボッシュは世界的な工具メーカーとして有名で、特に品質には定評のある会社です
その中でもレーザー距離計は特に人気のある製品になります
インパクトドライバーはマキタだけどレーザー距離計はボッシュを使用しているという方も珍しくありません
今回ご紹介したレーザー距離計はprofessionalシリーズですので価格は若干高めですが、測定精度が高く機能豊富で、しかもボッシュらしく頑丈です
1台持っておけば、あなたの物づくりの可能性を大きく広げてくれる事間違いありません
今回ご紹介したおすすめ製品リンクを貼っておきます
参考にしてみて下さいね(^_^)
【最新型】屋外でも見やすいグリーンレーザーGLM 50-27 CG
汚れや水にも強いIP65です
【Bluetooth接続機能搭載】スマートフォンでデータの共有を簡単に出来ます
【デジタルファインダー搭載】屋外の50m以上の長い距離の計測におすすめです
計測距離は最大150m
【リチウムイオンバッテリー搭載】長時間の計測におすすめ 電池交換不要でストレスフリー
【コストパフォーマンス重視】実用的な計測範囲で軽くて扱いやすい
機能も豊富で1台あれば様々なシーンで活躍してくれます
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